三竹さんには、シーマロックス液肥を20年以上使用していただいおります。
とにかく、三竹さんの作る野菜はどれも癖がなくて美味しい。
セロリを絶対食べない子供も三竹さんの作ったセロリだけは何も云わずに食べるそうです。
大手の食品宅配業者「オイシックス」で、二年連続、最優秀生産農家(農家オブザイヤー)に輝いたこともありましたが、今は「あまっこやさい」ブランドで、三竹ファンに産直便の宅配をして居られます。しっかり予約しておかないとあっという間に売切れてしまいます。
「何故オイシックスを止められたのでしょうか?」
「うん、まあ一人の人間が、トップに居続けるのもあまり良くないと考えてしまって」
とあくまで目立ちたがらない人柄がうかがえます。
評判を聞きつけて、中国の政府から営農指導の依頼が来て、実際に視察に出向いたこともあったと聞きます。正に伝説の野菜名人なのです。
「あまっ娘野菜の美味しさの秘密は何でしょうか?」
そう聞かれると、三竹さんは、鍬を手にとって自分の畑に案内します。どこでも適当な場所をホイッと起こして、穴に手を入れてもらいます。ホンノリと暖かさを感じます。
「土が活きていて、中で何億という微生物が生活しているので、そこから出てくる熱が暖かいのだと思う。野菜作りは土作りだと云えると思う。」
作物を植えつける前に、まず緑肥のソルゴーなどを鋤き込んで、其の元肥にくっつけるように500倍に希釈したシーマロックス液肥をたっぷり散布します。2ヶ月ほどおくうちにミネラルの働きで、バクテリアが増殖して好ましい根圏生態系が形成されます。
「土作りがしっかり出来ていれば、丈夫な根っこが発達してくるので、あとは生育期、収穫前に数回、シーマロックス液肥を葉面散布して光合成に活を入れるだけだな。」
と簡単におっしゃいますが、それだけではないようです。
「味に深みを出すためには、窒素肥料としては、やはり有機肥料の利用が必要だと思う。
それぞれの農家が、必死になって工夫してやることなので、細かいことを言ってもしょうがないな」
三竹さんの野菜が美味しくて引っ張りだこになる理由は色々ありますが、糖度、旨味が平均以上であることは当然で、特にすごいのは葉物で測った残留硝酸態窒素が全国平均の
10分の1以下になっていることです。
ミネラルがはぐくんだ豊富な細根から、吸い上げられた大量の窒素肥料は、最初、硝酸態窒素の形をしていますが、葉面散布されたミネラルの働きで、光合成が活性化して、硝酸態窒素は効率よく還元され、アンモニア経由アミノ酸に転化してゆきます。
豊かな旨味と少ない硝酸態窒素はこうして達成されているようです。
このことが、子供が喜んで食べるセロリの美味しさに現れているはずです。
帰り際に、三竹さんの畑のキャベツが鳥に食べられているのを見ました。
「鳥がキャベツを食べるって始めて見ました。珍しいですね。」
「鳥も美味しいものは良く知っていて、うちの畑にだけはたべにくる。食べられる分だけ少し多めに作っているんだよ」
なんと太っ腹な話ではありませんか、最後まで驚きの連続だった三竹農園訪問でした。